第二段④
〔『正法眼蔵』原文〕
もし人ありて恁麼とはん、「空と地と、あひさることいくそばくぞ」。
恁麼問著せんに、かれにむかひて恁麼いふべし、
空と地と、あひさること十万八千里なり。
若因地倒、必因空起、離空求起、終無其理、
若因空倒、必因地起、離地求起、終無其理
《地に因りて倒るゝがごときは、必ず空に因りて起く。
空を離れて起きんと求むるは、終に其の理無けん。
空に因りて倒るゝがごときは、必ず地に因りて起く。
地を離れて起きんと求めば、終に其の理無けん》、
もしいまだかくのごとく道取せざらんは、
仏道の地空の量、いまだしらざるなり、いまだみざるなり。
〔『正法眼蔵』私訳〕
もし人が、「空ソラと地は、どれほど隔たっているか」、このように尋ねたら、
その人に対してこのように答えるといい、
「空と地は隔たること十万八千里である」。
地によって倒れれば、必ず空によって起きる。
空を離れて起きようとしても、決して起きることはできない。
空によって倒れれば、必ず地によって起きる。
地を離れて起きようとしても、決して起きることはできない」。
もしまだこのように言うことができない者は、
仏道の地と空の量を、まだ知らないのであり、まだ見ていないのである。
合掌
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