〔『正法眼蔵』原文〕 第八祖摩訶迦葉尊者 マカ カショウ ソンジャ は、釈尊の嫡嗣 チャクシ なり。 生前 ショウゼン もはら十二頭陀 ヅダ を行持して、さらにおこたらず。 十二頭陀といふは、 一者不受人請、日行乞食。亦不受比受丘僧一飯食分銭財 《一つには、人の請 ショウ を受けず、日 ヒビ に乞食を行ず。 亦 マタ 比丘僧 ビクソウ の一飯食分 イッパンジキ ブン の銭財を受けず》 。 二者止宿山上、不宿人舎郡県聚落 《二つには、山上に止宿 シシュク して人舎 ニンシャ 郡県 グンケン 聚落 ジュラク に宿 シュク せず》 。 三者不得従人乞衣被、人与衣被亦不受。但取丘塚間、死人所棄衣、補治衣之 《三つには、人に従って衣被 エヒ を乞うことを得ず。人の与うる衣被も亦 受けず。 但 タダ 丘塚 キュウチョウ の間の死人の棄つる所の衣を取って、補治 ホジ して之を衣 キ る》 。 四者止宿野田中樹下 《四つには、野田 ヤデン の中の樹下 ジュゲ に止宿す》 。 五者一日一食。 一名僧迦僧泥 《五つには、一日に一食 イチジキ す。一 アルイハ は僧迦僧泥 スンカスンナイ と名づく 》 。 六者昼夜不臥、但坐睡経行。一名僧泥沙者傴 《六つには、昼夜不臥 フガ なり、但坐睡経行 キンヒン す。一は僧泥沙者傴 スンナイサシャキュウ と名づく》 。 〔『正法眼蔵』私訳〕 第一祖摩訶迦葉尊者は、釈尊の正法眼蔵を正伝する弟子である。 一生の間、もっぱら十二の頭陀 (煩悩 の垢を払い落とし、衣食住に貪りを持たず、 ひたすらに 仏道修行 を行うこと ) を行持して、決して怠ることがなかった。 (第八祖摩訶迦葉尊者は、釈尊の嫡嗣なり。 生前もはら十二頭陀を行持して、さらにおこたらず。) 十二の頭陀とは、 (十二頭陀といふは、) 一つには、人の招待を受け...