〔『正法眼蔵』原文〕 七者有三領衣、無有余衣。 亦不臥被中 《七つには、三領衣 サンリョウエ を有 タモ ちて余衣 ヨエ 有ること無し。亦被中 ヒチュウ に臥せず》 。 八者在塚間、不在仏寺中、亦不在人間。 目視死人骸骨、坐禅求道 《八つには、塚間 チョウカン に在 ス んで仏寺の中に在まず、亦人間 ジンカン に在まず。 目に死人の骸骨を視て、坐禅求道 グドウ す》 。 九者但欲独処、不欲見人、亦不欲与人共臥 《九つには、但独処を欲 オモ いて人を見んと欲はず。亦人と共に臥せんと欲はず》 。 十者先食果蓏、却食飯。食已不得復食果蓏 《十には、先に果蓏 カラ を食 ジキ し、却 オワ りて飯 ハン を食す。食し已 オワ りて、 復 マタ 果蓏を食することを得ず》 。 十一者但欲露臥、不在樹下屋宿 《十一には、但露臥を欲って樹下屋宿 オクシュク に在 ス まず》 。 十二者不食肉、亦不食醍醐。麻油不塗身 《十二には、肉を食せず、亦醍醐 ダイゴ を食せず。麻油 マユ を身に塗らず》 。 これを十二頭陀 ヅダ といふ。摩訶迦葉尊者、よく一生に不退不転なり。 如来の正法眼蔵を正伝すといへども、この頭陀を退することなし。 〔『正法眼蔵』私訳〕 七つには、三種の衣 (袈裟) だけを持ち、ほかの衣は持たない。 また夜具の中で寝ない。 (七つには、三領衣を有ちて余衣有ること無し。亦被中に臥せず。) 八つには、墓場に住んで寺の中に住まず、また人里にも住まない。 目に死人の骸骨を見て無常を観じ、坐禅をして修行する。 (八つには、塚間に在んで仏寺の中に在まず、亦人間に在まず。目に死人の骸骨を 視て、坐 禅求道す。) 九つには、ただ独りでいることを願い、人に会おうと願わない。 ま...
〔『正法眼蔵』原文〕 第八祖摩訶迦葉尊者 マカ カショウ ソンジャ は、釈尊の嫡嗣 チャクシ なり。 生前 ショウゼン もはら十二頭陀 ヅダ を行持して、さらにおこたらず。 十二頭陀といふは、 一者不受人請、日行乞食。亦不受比受丘僧一飯食分銭財 《一つには、人の請 ショウ を受けず、日 ヒビ に乞食を行ず。 亦 マタ 比丘僧 ビクソウ の一飯食分 イッパンジキ ブン の銭財を受けず》 。 二者止宿山上、不宿人舎郡県聚落 《二つには、山上に止宿 シシュク して人舎 ニンシャ 郡県 グンケン 聚落 ジュラク に宿 シュク せず》 。 三者不得従人乞衣被、人与衣被亦不受。但取丘塚間、死人所棄衣、補治衣之 《三つには、人に従って衣被 エヒ を乞うことを得ず。人の与うる衣被も亦 受けず。 但 タダ 丘塚 キュウチョウ の間の死人の棄つる所の衣を取って、補治 ホジ して之を衣 キ る》 。 四者止宿野田中樹下 《四つには、野田 ヤデン の中の樹下 ジュゲ に止宿す》 。 五者一日一食。 一名僧迦僧泥 《五つには、一日に一食 イチジキ す。一 アルイハ は僧迦僧泥 スンカスンナイ と名づく 》 。 六者昼夜不臥、但坐睡経行。一名僧泥沙者傴 《六つには、昼夜不臥 フガ なり、但坐睡経行 キンヒン す。一は僧泥沙者傴 スンナイサシャキュウ と名づく》 。 〔『正法眼蔵』私訳〕 第一祖摩訶迦葉尊者は、釈尊の正法眼蔵を正伝する弟子である。 一生の間、もっぱら十二の頭陀 (煩悩 の垢を払い落とし、衣食住に貪りを持たず、 ひたすらに 仏道修行 を行うこと ) を行持して、決して怠ることがなかった。 (第八祖摩訶迦葉尊者は、釈尊の嫡嗣なり。 生前もはら十二頭陀を行持して、さらにおこたらず。) 十二の頭陀とは、 (十二頭陀といふは、) 一つには、人の招待を受け...