第二段②
〔[正法眼蔵]原文〕
大悟不悟ダイゴフゴ、却迷失迷キャクメイシツメイ、被悟礙被迷礙ヒゴゲヒメイゲ。
ともにこれ地にたふるゝものの地によりておくる道理なり。
これ天上天下テンジョウテンゲの道得なり、西天東地の道得なり、
古往今来コオウコンライの道得なり、古仏新仏の道得なり。
この道得、さらに道未尽ドウミジンあらず、道虧闕ドウキケツあらざるなり。
しかあれども、恁麼会インモエのみにして、さらに不恁麼会なきは、
このことばを参究せざるがごとし。
たとひ古仏の道得は恁麼つたはれりといふとも、
さらに古仏として古仏の道を聞著モンヂャクせんとき、向上の聞著あるべし。
〔[正法眼蔵]私訳〕
悟っても悟らなくても、
却って迷っても迷いが失くなっても、
悟りに妨げられ迷いに妨げられるのである。
すべて「地に倒れた者は地によって起きる」道理である。
これは天上界や人間界の言葉であり、インドや中国の言葉であり、
昔や今の言葉であり、古仏や新仏の言葉である。
この言葉は、けっして言い尽くしていないことはなく、
言い足りないことはない。
そうであるが、このようにだけ理解して、
さらにこのようではない理解がないのは、
この言葉を究め尽くさないようなものである。
たとえ古仏の言葉はこのように伝わっているとしても、
さらに古仏として古仏の言葉を聞く時は、その上を聞かなければならない。
合掌
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