第一段④
〔『正法眼蔵』原文〕
「又恁麼事の恁麼あるにも、おどろくべからず。
たとひおどろきあやしまるゝ恁麼ありとも、さらにこれ恁麼なり。
おどろくべからずといふ恁麼あるなり。
これたゞ仏量にて量ずべからず、心量にて量ずべからず、
法界量ホッカイリョウにて量ずべからず、尽界量にて量ずべからず。
たゞまさに「既是キゼ恁麼人、何愁ガシュウ恁麼事」なるべし。」
〔『正法眼蔵』現代語訳〕
また恁麼の事がそのようである(恁麼ある)ことも、驚くに及ばない。
たとえ、驚き怪しまれる恁麼があっても、それがまた恁麼なのである。
驚くに及ばないという恁麼があるのである。
恁麼の道理は、仏の量ハカリによっても、心の量によっても、法界の量によっても、尽界の量によっても量ることができない量リョウである。
ただまさに、「すでにすべての人は恁麼の人であるから、
恁麼の事を愁えることは要らない」のである。
合掌
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