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正5-1-3『第五即心是仏』第一段③〔学者おほくあやまるによりて、将錯就錯せず:修行者たちの多くが自分の真相を誤って理解しているから、錯をもって錯に就くことをしない〕

 

〔『正法眼蔵』原文〕

学者おほくあやまるによりて、将錯就錯ショウシャクジュシャクせず。


将錯就錯せざるゆゑに、おほく外道に零落レイラクす。



〔抄私訳〕

「将錯就錯」《錯まりをもって錯まりにつく》とは、一般には、錯まりという言葉は悪い意味に理解するが、この錯まりは解脱の言葉である。本当に、仏を誰が何と錯アヤまるのか。いわば、今の「即心是仏」の道理が、「将錯就錯」と言われるのである。だから、「将錯就錯せざるゆゑに、おほく外道に零落す」と言うのである。そうであるから、凡夫が思っている錯まりでない道理が明らかなのである。


〔聞書私訳〕

《頭注:この「即心是仏」を正伝することを「将錯就錯」と言う》

「学者おほくあやまるによりて、将錯就錯せず。将錯就錯せざるゆえに、おほく外道に零落す。」と言う、


「知は隠すに非ず非は是れ失なり、知は恥じるに非ず非は是れ得なり」とは、世俗の言葉である。「我を以て本と為す」は外道の考えである。この「錯」の字の心得方は一つではない。世間で「錯」という事を「錯」と知る、これは解脱である。だから、「あやまりをもってあやまりにつく」と言う。この意味合いで、「将錯就錯せざるゆゑに外道に落つ」と言う。


「即心是仏」に正伝するという言葉があり、この「将錯就錯」に当たる。その上で正見(正しい見方)を説くのを、「錯をもって錯に就く」と理解することもある。もっとも、これはやはり世間の言葉に似ている。


ただ「将錯就錯」を「唯仏与仏ユイブツヨブツ」仏法はただ仏と仏のみに相続されると理解すべきであり、「即心是仏」と理解すべきであり、「即心即仏」と理解すべきである。



〔『正法眼蔵』私訳〕

修行者たちの多くが自分の真相を誤って理解しているから、

錯をもって錯に就く(自分の今の様子によって今の様子を相続する)ことをしない

(学者おほくあやまるによりて、将錯就錯せず。)


錯をもって錯に就く(自分の今の様子によって今の様子を相続する)ことをしないから、

多くの者が外道(道を外れること)に落ちるのである。

(将錯就錯せざるゆえに、おほく外道に零落す。)



                         合掌


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