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空華を学ぶには、本当に多くの種類がある『第十四空華』14-4-5a

〔『正法眼蔵』原文〕

 空華を学せんこと、まさに衆品シュホンあるべし。


翳眼の所見あり、明眼ミョウゲンの所見あり。


仏眼の所見あり、祖眼の所見あり。


道眼の所見あり、瞎眼カツゲンの所見あり。


三千年の所見あり、八百年の所見あり。


百劫の所見あり、無量劫の所見あり。


これらともにみな空花をみるといへども、

クウすでに品々ホンポンなり、華また重々なり。


 まさにしるべし、空は一草なり、

この空かならず花さく、百草に花さくがごとし。


この道理を道取するとして、

如来道は「空本無華クウホンムケ」と道取するなり。




〔『正法眼蔵』私訳〕

 空華を学ぶには、本当に多くの種類がある。

〔空華を学せんこと、まさに衆品あるべし。〕


病眼が見る空華があり、明眼が見る空華がある。

〔翳眼の所見あり、明眼の所見あり。〕


仏眼が見る空華があり、祖師眼が見る空華がある。

〔仏眼の所見あり、祖眼の所見あり。〕


道眼が見る空華があり、霞み眼が見る空華がある。

〔道眼の所見あり、瞎眼の所見あり。〕


三千年が見る空華があり、八百年が見る空華がある。

〔三千年の所見あり、八百年の所見あり。〕


百劫の長期間が見る空華があり、数え切れない長期間が見る空華がある。

〔百劫の所見あり、無量劫の所見あり。〕 


これらはともにみな空華を見るけれども、

クウは現にさまざまであり、華もまたいろいろである。

〔これらともにみな空花をみるといへども、空すでに品々なり、華また重々なり。〕


クウは一茎の草であり、この空は必ず花が咲く、

百草に花が咲くようなようなことであると必ず知るべきである。

〔まさにしるべし、空は一草なり、この空かならず花さく、百草に花さくがごとし。〕


この道理を説こうとして、如来は「空本無華」(空も本も無も華だ)と言われるのである。

〔この道理を道取するとして、如来道は空本無華と道取するなり。〕



空華を学ぶには、本当に多くの種類がある『第十四空華』14-4-5b


                      合掌



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