〔『正法眼蔵』原文〕
「趣向真如亦是邪ヤクゼジャ《真如に趣向するも亦た是れ邪なり》」。
真如を背する、これ邪なり。真如に向コウする、これ邪なり。
真如は向背なり、向背の各々にこれ真如なり。
たれかしらん、この邪の亦是真如なることを。
「随順世縁無罣礙ムケイゲ《世縁に随順して罣礙無し》」。
世縁と世縁と随順し、随順と随順と世縁なり。
これを無罣礙といふ。
罣礙不罣礙は、被眼礙ヒゲンゲに慣習カンジュウすべきなり。
〔『正法眼蔵』私訳〕
〔第六句〕
「真如に趣向するのもまた邪である」。
〔趣向真如亦是邪《真如に趣向するも亦た是れ邪なり》。〕
真如に背ソムくのは、邪である。
〔真如を背する、これ邪なり。〕
真如に向かうのは、邪である。
〔真如に向する、これ邪なり。〕
真如は向かうことであり背くことである、
向かうことと背くことのそれぞれが真如である。
〔真如は向背なり、向背の各々にこれ真如なり。〕
誰が知っているだろうか、この邪がまた真如であるということを。
〔たれかしらん、この邪の亦是真如なることを。〕
〔第七句〕
「世縁に随順して妨げるものはない。」
〔随順世縁無罣礙《世縁に随順して罣礙無し》。〕
世縁は世縁に随順し、随順は随順であるのを世縁とするのである。
〔世縁と世縁と随順し、随順と随順と世縁なり。〕
これを妨げるものがないと言う。
〔これを無罣礙といふ。〕
妨げることと妨げないことは、
眼が眼に妨げられて見えないことに習うべきである。
〔罣礙不罣礙は、被眼礙に慣習すべきなり。〕
合掌
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