〔『正法眼蔵』原文〕
たとへば、優鉢羅華ウハツラゲの開敷カイフの時処は、火裏・火時なるがごとし。
鑽火サンカ焔火みな優鉢羅華の開敷処なり、開敷時なり。
もし優鉢羅華の時処にあらざれば、
一星火イッセイカの出生するなし、一星火の活計なきなり。
しるべし、一星火に百千朶ダの優鉢羅花ありて、
空クウに開敷し、地ヂに開敷するなり。
過去に開敷し、現在に開敷するなり。
火の現時現処を見聞するは、優鉢羅花を見聞ケンモンするなり。
優鉢羅華の時処をすごさず見聞すべきなり。
〔『正法眼蔵』私訳〕
例えば、優鉢羅華(3千年に一度開花する華)が一面に開花する時と処は、
火の中と火の時のようなものである。
〔たとへば、優鉢羅華の開敷の時処は、火裏・火時なるがごとし。〕
火を鑽るところに火が出るのは、
みな優鉢羅華(空華)が現成する処であり、現成する時である。
〔鑽火焔火みな優鉢羅華の開敷処なり、開敷時なり。〕
もし優鉢羅華が現成する時と処でなければ、
一星火(仏の知見)が生じることはなく、
一星火(仏の知見)のはたらきはないのである。
〔もし優鉢羅華の時処にあらざれば、一星火の出生するなし、一星火の活計なきなり。〕
知るといい、この一星火(仏の知見)に百千の枝の優鉢羅華(空華)が
空に咲き乱れ、地一面に開花するのである。
〔しるべし、一星火に百千朶の優鉢羅花ありて、空に開敷し、地に開敷するなり。〕
過去に開花し、現在に開花するのである。
〔過去に開敷し、現在に開敷するなり。〕
火(仏の知見)が現成する時と処を見聞するのは、
優鉢羅花(空華)を見聞するのである。
〔火の現時現処を見聞するは、優鉢羅花を見聞するなり。〕
優鉢羅花(空華)が開花する時と処を見過ごさず見聞すべきである。
〔優鉢羅華の時処をすごさず見聞すべきなり。〕
合掌
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