第一段 一法身の如来の現成は森羅万象である、そこに自然と実を結ぶように空華が現成する
〔『正法眼蔵』原文〕
高祖道、「一華開五葉イッケカイゴヨウ、結果自然成ジネンジョウ」。
この華開ケカイの時節、および光明色相コウミョウシキソウを参学すべし。
「一華」の重は五葉なり、五葉の開は一華なり。
一華の道理の通ずるところ、
「吾本来此土ゴホンライシド、伝法救迷情デンボウグメイジョウ」なり。
〔『正法眼蔵』私訳〕
高祖達磨大師は、「一華(一法身の如来)の開(現成)は五葉(五枚の花弁:森羅万象)である。そこに自然と実を結ぶように空華(空として成立する真実の存在)が現成する」と言った。
〔高祖道、「一華開五葉、結果自然成」。〕
この一華が開く時節(この身の二十四時間中の一挙手一投足に空華が現成する時節)、およびこの身がそのまま空華の光明・色・形であることを参学すべきである。
〔この華開の時節、および光明色相を参学すべし。〕
「一華」(一法身の如来)の重なりは五葉(森羅万象)であり、
五葉の開(現成)は一華である。
〔「一華」の重は五葉なり、五葉の開は一華なり。〕
一華の道理が通じるところが、「吾れもとこの土に来たり、
法を伝えて迷の衆生を救う」ところである。
〔一華の道理の通ずるところ、「吾本来此土、伝法救迷情」なり。〕

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