〔『正法眼蔵』原文〕
古仏為汝説コブツイニョセツするには異類中行なり。
しばらく廻光返照エコウヘンショウすべし、幾箇枚キコマイの用会作麼かある。
試道するには、乳餠ニュウヒン七枚、菜餠サイヒン五枚なりといへども、
湘之南ショウノミナミ、潭之北タンノキタの教行キョウギョウなり。
〔『正法眼蔵』私訳〕
玄砂が僧の為に「用会作麼」と説いたのは、
異類の中を行くようなものである。
(古仏為汝説するには異類中行なり。)
〔明珠を取り上げて玄砂と僧が「用会作麼」と言ったところは同じだが、
僧が玄砂の言葉を取って自分の言葉としたところは同じではない。
これを異類中行と言うのである。〕
しばらく廻光返照(外に向かう心を翻して、内なる自己を反省し、本来の面目を明らかにすること)すべきである。
ここでは二種類の「用会作麼」だけだが、
そもそもこの「用会作麼」には何種類あるか、たとえ幾千万種類あろう
とも、「用会作麼」と言ったらみな明珠であると知るべきである。
(しばらく廻光返照すべし、幾箇枚の用会作麼かある。)
試みに「用会作麼」の一例を言ってみれば、
乳餠が七枚、菜餠が五枚、いやそれどころではない、
湘の南も潭の北もみなこの明珠の教えと行なのである。
(試道するには、乳餠ニュウヒン七枚、菜餠サイヒン五枚なりといへども、
湘之南ショウノミナミ、潭之北タンノキタの教行なり。)
〔何でもみな明珠であり、
全世界は「用会作麼」でないものはないのである。〕
合掌
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