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正6-19-2『第六行仏威儀』第十九段②〔『正法眼蔵』私訳〕〔浄土・天堂は輪廻することと同じである〕

 〔聞書私訳〕

/「行履アンリなれば、浄土・天堂おなじく行履なり。大悟なれば、おなじく大悟なり。大迷なれば、おなじく大迷なり。これしばらく行仏の鞋裏アイリの動指なり。」とある。


「鞋裏の動指」とは、「大悟」「大迷」「天上」「兜率」は、皆「行仏」の「動指」であり、「鞋裏」は「行仏」に当たるのである。「行仏」の「鞋裏」と言うから、「動指」は、「浄土」「天堂」「大悟」「大迷」などという言葉に当たるのである。


又、「動指」とは、「行仏の威儀」或いは面目・眼晴ガンゼイなどというようなことである。



〔『正法眼蔵』私訳〕

知るべきである、安楽土・兜率天とは、

浄土・天堂(兜率天宮)どちらも輪廻することと同じである。

(しるべし、安楽・兜率トソツといふは、浄土・天堂ともに輪廻リンネすることの同般なるとなり。) 

〔輪廻といっても迷いではなく、天上・地獄を一目に見て自由に往来する行仏の活三昧を言うのである。〕


こちらが行仏の行住坐臥であれば、

浄土・天堂も同じく行仏の行住坐臥である。

(行履アンリなれば、浄土・天堂おなじく行履なり。)


こちらが悟っていれば浄土・天堂も同じく悟っており、

こちらが迷っていれば浄土・天堂も同じく迷っているのである。

(大悟なれば、おなじく大悟なり。大迷なれば、おなじく大迷なり。)


これは、しばらく行仏という草鞋ワラジの中で

指を動かすようなことである。

(これしばらく行仏の鞋裏の動指なり。)


ある時は一発の放屁の音であり、放屎の香である。

(あるときは一道の放屁声ホウヒショウなり、放屎香なり。)

〔行仏の時、一切の音声はみな説法であり、

一切の香りはみな解脱の香りである。〕


鼻があればこの解脱の香りを嗅ぐことができ、

耳・身・所作があればこの説法を聴くことができるのである。

(鼻孔あるは臭得す、耳処・身処・行履処あるに聴取するなり。)


又、仏道の皮肉骨髄(心髄)を我れに得る時がある、我れが行仏を行じ得るのであるから、決して他から得るのではないのである。

(又、得吾皮肉骨髄するときあり、さらに行得に他よりえざるものなり。)

〔教は仏の教でも行は我れにあるから、仏の威儀に従うと直きに我れが行仏の威儀となり、その時自己がすなわち仏である。〕



                                 合掌


                         

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