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正4-9-1『第四身心学道』第九段①〔学道の積功累徳なり:この身心の様子を一日中一々に学ぶのである〕


〔『正法眼蔵』原文〕

百丈大智禅師いはく、「若執本清浄本解脱自是仏、自是禅道解者、即属自然外道

《若し本清浄、本解脱、自は是れ仏、自は是れ禅道の解ゲを執せば、即ち自然外道に属す》」。


これら閑家の破具にあらず、学道の積功累徳シャクウルイトクなり。


〔抄抄訳〕 

この百丈の言葉は、一般には、仏道と違わないように思われるが、いかにも「若執本清浄」以下の言葉も、「執」というのは、やはり凡夫の考えに類するであろう。「自是仏」の「自」も、自他の自に理解するだろうから、この考え方を嫌われるのである。

閑家の破具にあらず」 とは、この百丈大智禅師の言葉を讃嘆されるのである。役に立たない家の壊れた道具ではなく、「学道の積功累徳なり」と褒められるのである。


〔『正法眼蔵』私訳〕

百丈大智禅師が言う、「もし、もともと清浄で、もともと解脱しており、自己は仏であり、自己は禅道(禅の究極的な在り様)であるとの見解に執着すれば、自然外道ジネンゲドウ(何をしなくても悟った存在であるとする思想の仲間に落ちるのである」。

(百丈大智禅師いはく、「若し本より清浄、本より解脱にして、自は是れ仏、自は是れ禅道なりとの解を執せば、即ち自然外道に属す」。)


この身心は、これら自然外道が弄ぶような破れ道具ではなく、この身心の様子を一日中一々に学ぶのである。

(これら閑家の破具にあらず、学道の積功累徳なり。)




〔『正法眼蔵』原文〕

勃跳ボッチョウして玲瓏レイロウ八面なり、


脱落して如藤倚樹ニョトウイジュなり。


〔抄私訳〕

「勃跳して玲瓏八面なり」は、隠れた所が無い姿であり、これは解脱の言葉である。「脱落して如藤倚樹」も解脱の言葉に使うのである。一般には、「如藤倚樹」(藤の如く樹に倚る)の言葉を繋縛ケバクの意味合いに思いがちであり、樹倒藤枯ジュトウテンコ(樹が倒れ藤が枯れる)を解脱と理解する。今は、共に解脱の言葉である。藤と樹が、決してそれぞれ別のものではないのである。藤と藤であり、樹と樹である。


〔『正法眼蔵』私訳〕

この身心は人間の考え方を飛び越えており、この身心を取り囲んでいるすべての様子はすっきりとして美しく照り輝いており、

(勃跳ボッチョウして玲瓏レイロウ八面なり、)


この身心は何ものからも離れきっており、藤づるが樹にまとわりつくように触れ合うものと一体となって今の様子がこの身心の上に現れるのである。

(脱落して如藤倚樹ニョトウキジュなり。)



                            合掌



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