〔抄私訳〕
「正当恁麼時ショウトウインモジ、あるいは虚空にかゝり、衣裏エリにかゝる、
あるいは頷下ガンカにをさめ、髻中ケンチュウにをさむる、
みな尽十方世界一顆明珠なり」とある。
「明珠」の道理について,珠のことを引き出されるのである。
「虚空にかかる」とは、この「虚空」が即ち「一顆明珠」である道理を、「かゝる」と言うのである。ここはみな経の言葉を取り出されるのである。
「ころものうらにかゝるを樣子とせり、おもてにかけんと道取することなかれ。髻中頷下ケイチュウガンカにかかるを樣子とせり、髻表ケイヒョウ頷表ガンヒョウに弄ロウせんと擬ギすることなかれ」とある。
これは、経の文を変えずに談ずれば、必ず「ころものうら」と言えば、「おもてにかけんと道取することなかれ」とは、経文を経文のままにしておこうという意である。「髻表頷表」もただ同じ意である。
本当に、「髻中」と言い「頷下」と言うけれど、何が不足で、今ここで経文を離れて別のことを言ってはならないという意味合いである。
この上は、「ころも」の「おもて」に懸け「髻表頷表」と言うとしたら、それは背けない道理であり、またあるべき筋道であるのは勿論である。
合掌
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